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パテックフィリップ パーペチュアルカレンダー クロノグラフの歴史、歴代モデルを解説

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パテックフィリップを語る上で欠かせないのがパーペチュアルカレンダー。前回ではそのパーペチュアルカレンダーの歴代モデルを調べていきましたが、今回はパーペチュアルカレンダークロノグラフを調べていきたいと思います。

1518 1941-1954年

image credit:bloomberg

世界初のパーペチュアルカレンダーとクロノグラフの両方を搭載したモデル。プッシャーは角型、ダイヤルはグラン・フーエナメルで製造され、2カウンターのクロノグラフに月と曜日の窓枠、ムーンフェイズと日付が付いており、外周にはタキメーター表示が付きます。ケースサイズは35mm

ムーブメントには2カウンタークロノグラフRef.130でも搭載されているバルジュー製Cal.13にヴィクトラン・ピゲ製のパーペチュアルカレンダーモジュールを追加したCal.13-130。

image credit:hqmilton ↑Ref.130

image credit:theonlyvintagemagazine

281本製造され、多くがイエローゴールド、ローズゴールドが55本、ステンレススチールが4本製造されています。(噂ではステンレスとローズゴールドのコンビが3本製造されていると言われていますが、未だ見つかっていません。)

image credit:watchonista

ステンレスのモデルは2016年のPHILLIPSオークションで1100万スイスフラン(現在のレートで13億円)もの超高額で落札されています。

https://www.phillips.com/detail/patek-philippe/CH080216/38?fromSearch=1518&searchPage=1

5年前でこの金額なので今オークションにでたとなれば更に値段が付きそうですね。

2499 1950-1985年

image credit:italianwatchspotter

2499と1518との大きな違いはケースサイズであり37.5mmとサイズアップされています。ケースが大きくなったことにより、ラグが平たくなり、またラグも面取りされているため、やや丸くなった印象を受けます。

ムーブメントはRef.1518と同じくバルジューベースのCal.13-130を搭載しています。

1950-85年と約35年製造されているのでマイナーチェンジも多くされており、大きく分けると4世代に分かれます。

image credit:squaremile

1st 1950-50年半ば

image credit:italianwatchspotter

外観の特徴はRef.1518の多くを引き継いでおり、角型プッシャー、アラビア数字、タキメーター表示、リーフ針、プラスチック風防が特徴。

2nd 1955-60年

image credit:revolutionwatch

第2世代ではプッシャーが丸型に変更されます。インデックスはアラビア数字orバーインデックス、タキメーター表示、ドルフィン針、プラスチック風防。

3rd 1960-78年

image credit:phillips

18年程と一番長く製造されていたので一番生産数が多い。プッシャーは第2世代と同じく丸型、タキメーター表示が無くなります。バーインデックス、ドルフィン針、プラスチック風防。

4th 1978-85年

image credit:phillips

基本的なデザインは第3世代と同じですが、プラスチック風防からサファイアガラスに変更されます。またリファレンスもRef.2499/100の表記に変わります。

 

35年間で計349本が製造され、詳しい数は判明していませんが、多くがイエローゴールド、1割がローズゴールドで生産されています。
生産終了の1985年には2本のみプラチナで製造されています。

image credit:revolutionwatch

その内の1本はイギリスのミュージシャンであるエリック・プラクトン氏が所有していたもので、2012年のクリスティーズで344万スイスフランで落札されています。

3970 1986-2004年

image credit:revolutionwatch

2499より1.5mm小さくなりケースサイズが36mmになります。当時は小さいケースに複雑機構を搭載することがより優れているとも考えられていたそうで小さくなったと言われています。プッシャーは丸型でタキメーター表示もありません。約4200本製造されています。

3970から3時位置にうるう年が表示されます。また9時位置には秒針とともに24時間計も配置されます。

image credit:revolutionwatch

ムーブメントはオメガのスピードマスターにも搭載されていたレマニアCal.2310ベースのCal.CH27-70Q

image credit:revolutionwatch

この3970も製造期間が長いので3つの世代に分かれます。第3世代からシースルーバックとソリッドバックの裏蓋が付属しますが、ソリッドバックである1,2世代のシースルーバックモデルは型番が異なりRef.3971になります。

1st 1986年

image credit:matthewbaininc

イエロゴールドケースのみで製造。シルバーオパーリンのダイヤルが特徴的でスモールセコンドと僅かに色が異なります。ねじ込み式でなくスナップバック式のケースバックを装着しています。1年間の生産で数は100本程度です。

 

image credit:watchprosite

また同時期に生産されたシースルーバックモデルの3971もスナップバックになります。

image credit:phillips

2nd 1986-91年

image credit:phillips

ケースバックがねじ込みのスクリューバックに変更になります。リファレンスも3970E(E=Etanche 防水の意)へと変更。またダイヤルのスモールセコンドの色も同色になります。(※1990年に製造されているスクリューバックのモデルでも第1世代のようなダイヤルがついたモデルも極僅かに存在します)
700本程度の製造本数。

image credit:phillips

同じくシースルーバックの3971でもスクリューバックに変更されてます。

image credit:forums.timezone

この世代からブレスレットタイプも存在しRef.3970/002となります。

image credit:watchcollectors

3rd 1991-2004年

image credit:revolutionwatch

この世代からシースルーバックになりソリッドバックの裏蓋が付属します。第2世代から引き続きスクリューバック。大きな違いはリーフ針からバトン針に、バーインデックスの先端も尖ります。94,5年からバックルがDバックルに変更。約3400本製造されており、流通量が多い為3970の中では一番安価とされています。

第1世代以外ではYG,WG,RG,PTで生産され、オーダーなど様々な文字盤も存在します。

image credit:truefacet ↑Ref.3970EP

5020 1993-1999年

image credit:phillips

クッションケース型のパーペチュアルカレンダー。その形から「テレビスクリーン」とも呼ばれます。ムーブメントは3970と同じくレマニアベースのCal.27-70Q。文字盤の配置は3970と同じですが、ブレゲ針にブレゲ数字を採用。ケース型は37mm。

当時は人気が無く6年程で生産中止となり、生産数は200-300程度とされています。

5970 2004-2010年

image credit:hqmilton

ケースサイズが3970から4mm大きくなり40mmに。原点回帰とも言えるRef.1518、Ref.2499の初期型のように、タキメーターを備え、プッシャーは角型、リーフ針に戻ります。

そして流れるように美しいラグが特徴的です。

image credit:hqmilton

ムーブメントは引き続きレマニアCal.2310ベースのCal.CH27-70Q。

image credit:hqmilton

ローズゴールド(5970R)とホワイトゴールド(5970G)は2004-2008年まで生産され各1000本程の製造、イエローゴールド(5970J)は2008年の1年のみの生産で100-300本程の製造、プラチナ(5970P)は2009-2010年の生産で300-500本程度製造されたと言われています。

image credit:thekeystone 左からPT,RG,WG,YG

プラチナの文字盤には他の素材の文字盤とは異なりタキメーターの120の数字が表示されています。

image credit:hqmilton

またサーモンピンクダイヤル、ブレゲ数字のインデックスを採用したなどいくつかのオーダーで製造されたモデルも存在します。

image credit:pinterest

image credit:revolutionwatch

6.5270 2011-

image credit:hqmilton

レマニアムーブメントから自社製ムーブメントに変わった初のパーペチュアルカレンダークロノグラフ。レマニアの親元であるスウォッチグループがムーブメントの供給を停止を発表した事や、パテックフィリップが完全なマニファクチュールブランドを目指した事で製造がなされました。

ケースサイズは5270から1mm大きい41mmに変更。角型プッシャーやリーフ針、ラグの形状は継承されます。

ムーブメントはCal.CH29-535 PS Q

image credit:watchbase

レマニアムーブメントが毎時18,000振動だったのに対し、CH29は28,800振動になります。秒針を止めるハック機能が追加され、更にうるう年表記が4-5時の間にディスクで表示、7-8時位置にデイ&ナイト表記が追加されました。

5270では年代により文字盤のデザイン(と素材)が変更されています。

5270G-001(2011-2013年)

image credit:hqmilton

タキメーター表示が無し、針とインデックスの色が5970Gと同じく黒色。

5270G-013,5270G-014(2013-2015年)

image credit:jamesedition 5270G-013

image credit:jewelsbylove 5270G-014

文字盤にタキメーター表示戻り、針とインデックスの色が銀色になります。2013-15年のモデルは6時位置の目盛りが押し出され膨らんだように見え、「顎」や「ベロ」などと若干蔑称のような別名で呼ばれています。

5270G-018,5270G-019(2015-2017年)&5270R-001(2015-2018年)

image credit:watchbase 5270G-018

image credit:watchbase 5270G-019

image credit:watchbase 5270R-001

タキメーター、スモールセコンドインダイヤルのデザインが変更。それに伴い下部のインデックスの長さも短くなります。顎(またはベロ)も無くなり、またスモールセコンドの針の形がリーフ針から細い針に変更されます。

5270/1R-001,5270P-001(2018年-)

image credit:jaztime 5270/1R-001

image credit:jaztime 5270P-001

5270/1Rの文字盤のデザインは1つ前である2015年に登場したモデルの顎無しデザインと同じです。ブレスレットタイプのパーペチュアルカレンダークロノグラフは長らく登場していなかったので待ち望まれていたのかもしれません。金無垢なので重いです。

5270Pはアラビアインデックスのサーモンダイヤル。5970時代にエリッククラプトン氏のオーダーで製造されていた色がカタログモデルとして登場します。またアラビアインデックスも一般販売されるモデルとしてはRef.2499以来になります。

5270J-001(2020年-)

image credit:bexsonn

2011年に5270が製造されて以来長らく出ていなかったイエローゴールドモデルが2020年に登場します。文字盤のデザインは2015年以降のモデルと同じです。

 

今後どのようなモデルがでてくるのか、モデルチェンジされても手巻きなのかも気になるところです。

 

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