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パテックフィリップ 歴代アニュアルカレンダー 歴史を徹底解説 その1

投稿日:2020年11月21日 更新日:

アニュアルカレンダーの歴史は意外に浅く、1996年パテックフィリップによって生み出されます。アニュアルカレンダーは年に1回、2月にカレンダーを調整することが必要になります。それ以前は複雑なカレンダーの時計はパーペチュアルカレンダーしかなく、1996年複雑かつそのパーペチュアルカレンダーより簡潔なアニュアルカレンダーを発明しその後特許を取得します。パテックフィリップの定番になり、今では様々なブランドで採用されています。

5035(1996-2005)

image credit:1stdibs.com

世界初のアニュアルカレンダーモデル。37mmのケースでバランスの取れた3つのスモールセコンドが特徴。3時のインダイヤルは月、6時は24時間計、9時は曜日、6時に日付を配置します。

ムーブメントはCal.315S QA

image credit:christies.com

21,600振動、パワーリザーブ48時間、35石

image credit:pinterest

YG,WG,PG,PTで展開

文字盤は白、黒、グレー、シルバー
ホワイトゴールドでは青とサーモンピンクもあります。

image credit:christies.com

5035G-043 青は50本限定 シンガポールにあるSINCEREWATCHという店の50周年記念

文字盤の色が同じで枝番が違う場合はカレンダーの言語で異なります。

 

5036&5056(1998-2005,1999-2005)

image credit:ebay.com

ムーンフェイズ付きのアニュアルカレンダー。サイズは5035と同じく37mm。6時位置にムーンフェイズがきたことにより、24時間計は無くなり、12時位置にパワーリザーブが追加され、ムーンフェイズとカレンダーの間にパテックのロゴが追加されます。

ムーブメントはCal.315 S IRM QA LU

image credit:watchbase.com

21,600振動、パワーリザーブ48時間、36石

5036/1J
5036/1G
5036/1R

image credit:grayandsons.com

YG,WG,PGはブレスレット

5056P(1999-)

image credit:lunaroyster.com

PTはベルト

 

5146(2005-)

image credit:luxurybazaar.com

2005年に5035、5036共々5146にモデルチェンジされます。ケース径が39mmと2mm拡大し、現代の市場の需要に適した大きさに変更されます。文字盤の配置は5036と変わりませんが、12、3、9のインデックスはアラビアに他はバーに変更、パワーリザーブが+-の表記へ。(パワーリザーブは5036のほうが個人的には好きですね) 2005年から製造されていますが、現在も製造中のロングセラー商品

5146J-001
5146J-010
5146G-001
5146G-010
5146R-001
現在も生産中

5146P-001(2005-2019)
5146/1J-001(2010-2019)
5146/1G-001(2010-2019)
5146/1G-010(2010-2019)
5146/1R-001(2013-2019)
プラチナ&ブレスは2019年に廃盤

ムーブメントはCal.315系からCal.324 S IRM QA LUへ

image credit:watchbase.com

28,800振動、パワーリザーブ45時間、36石

 

4936(2005-2016)

image credit:watchbase.com

2005年に5146と一緒に4936も登場します。ケース径は5035、5036と同じ37mmながらレディースモデル。5035と同じくパワーリザーブ表示無しでベゼルとリューズにダイヤがセッティングされます。あまり情報が無く、最初にYG、WGが製造され後からRGが登場した模様。アラビアインデックスモデルの4937も同じく2016年に生産終了。

Cal.324 S QA LU
28,800振動、パワーリザーブ45時間、34石

 

5250&5350&5450(2005-2008)

2005年から2008年にかけてパテックフィリップはアニュアルカレンダーに「アドバンストリサーチ」という画期的な最新テクノロジーを追求したモデルを発表します。パッと見似てますが裏蓋に「Advanced Research」が入ります。

image credit:watchesbysjx.com

2005年に登場したWGモデル5250は100個限定。Cal.315ベースでレバー脱進機にパテックフィリップ独自のシリコン合金であるSilinvar製のガンギ車を搭載。

2006年にはRGモデル5350で300個限定。ムーブメントはCal.324に変更になり、Silinvar製のガンギ車に加え、Silinvar製のSpiromaxヒゲゼンマイが搭載されます。シリコン製になったことのより温度変化や磁気の影響を受けなくなり、また軽量なため遠心力や重力の影響も受けなくなります。

2年後の2008年にPtモデル5450が300個限定で登場します。従来の機能に加えてアンクル素材もSilinvar製になり、Pulsomax脱進機と呼ばれます。

image credit:quillandpad.com

 

5135(2004-2010)

image credit:worldofluxuryus.com

ゴンドーロのアニュアルカレンダー
以前のアニュアルカレンダーとは異なり3つの窓枠に左から日付、曜日、月が表示されるようになります。このタイプは今後5960などで引き継がれていきます。6時位置にはムーンフェイズと24時間計を配置。

ムーブメントCal.324 S QA LU 24H/206
28,800振動、パワーリザーブ45時間、34石

5135J
5135G
5135R
5135P
YG,WG,PG,PTで展開

 

その2に続きます。パテックフィリップ 歴代アニュアルカレンダー 歴史 その2

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